仙台高等裁判所 昭和25年(う)290号 判決 1950年6月29日
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
判決要旨
起訴状記載の公訴事実又は訴因若しくは罰条を追加若しくは変更する書面に記載された事実を罪となるべき事実として引用することによつて表示する場合も罪となるべき事実の表示として欠くるところがない。
理由
刑訴法はその第三三五条第一項において有罪の言渡をするには罪となるべき事実証拠の標目、及び法令の適用を示さなければならない旨規定し判決に罪となるべき事実の表示を要求している。しかし同条は同時にその表示方法について特段の方法を規定していないのであるから認定にかかる事実自体をその侭判決に記述する場合は勿論起訴状記載の公訴事実又は訴因若しくは罰条を追加若しくは変更する書面に記載された事実を引用することによつて之を表示する場合も右にいわゆる罪となるべき事実の表示として欠くるところがないものと謂わなければならない。